
貫之集の上
西本願寺本の三十六人家集の中から貫之集の上に使われている料紙の複製です。
墨流しを水の流れに見立てて、水辺の草が描かれています。実際に墨流しを原本の通りに流すことは不可能なので、木版で再現しています。水辺の草や鳥、茶色のぼかしもすべて木版です。
始めに和紙を草木染で薄く茶色に染め、表面に細かい截箔を撒き下地を作ります。それから木版で墨流しから茶色のぼかしと順番に摺っていきます。
最後に銀泥で草や鳥を摺って仕上がりになります。
原本の墨流しはもっと濃くなっているのですが、実際に書くためには少し濃すぎるので薄くして有ります。複製を作るとき、このあたりの感覚が難しいです。書の線を最大限活かす為にはどのくらいの装飾にするべきなのか?
今だに、よくわかりません。
梅雨入り宣言が出てから、晴れの日が続いています。これは、料紙の加工にとてもありがたい事です。梅雨は湿度が高く紙が乾きにくいので、仕事がやりにくいのです。でも、今適度に雨が降らないと後々困りますよね。





















